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無痛分娩に関連したニュース
2019/1/7 17:32 【日本経済新聞】
無痛分娩ミス訴訟が和解 京都の夫婦と産婦人科医院
麻酔で痛みを和らげる「無痛分娩」で出産しようとした際、医師が適切な処置をせず、生まれた長女が脳性まひを負ったとして、京都府の夫婦が同府京田辺市の医院「ふるき産婦人科」と院長に計約1億円の損害賠償を求めた訴訟の和解が7日までに、大阪高裁で成立した。
和解条項によると、和解金を7400万円と算定。このうち産科医療補償制度に基づき既に支払われた補償金を差し引いた5840万円を医院側が夫婦に支払う他、障害を負った事実を厳粛に受け止め遺憾の意を表し、夫婦も医院側を刑事告訴しないなどの内容が盛り込まれた。和解は2018年12月7日付。
原告側の請求を棄却した18年3月の一審京都地裁判決によると、同医院の医師は11年4月、無痛分娩を行うため母親に硬膜外麻酔をし、子宮収縮剤を投与。長女は帝王切開で生まれたが脳性まひなどの障害を負い、3歳だった14年に急性呼吸不全で亡くなった。
一審判決は、分娩時の子宮収縮剤の過剰投与や、分娩監視装置の未装着など医師の過失を認定。一方、長女が脳性まひを負った点について、装置の記録がなく過失との因果関係の分析に限界があるとし「夫婦の憤りは察するに余りあるが、因果関係は不明と言わざるを得ない」としていた。〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39710120X00C19A1000000/
2019年10月28日【東京新聞】
無痛分娩死「不起訴不当」 大阪検審 院長を再捜査へ
大阪府和泉市の産婦人科医院「老木(おいき)レディスクリニック」で二〇一七年、麻酔で痛みを和らげる無痛分娩(ぶんべん)により出産した長村千恵さん=当時(31)=が死亡した事故で、業務上過失致死容疑で書類送検された男性院長(61)を嫌疑不十分で不起訴とした大阪地検の処分に関し、大阪第四検察審査会は「不起訴不当」と議決した。
検審は議決理由で「患者が命を託した医師への信頼を根底から覆すものというべき過失がある」と指摘した。議決は十日付。無痛分娩を巡り医師が捜査されたケースは異例で、地検は再捜査し起訴するかどうか改めて判断する。
長村さんの父安東雄志さん(70)は「議決を受け検察は真摯(しんし)に捜査してほしい」と話した。老木レディスクリニックは「コメントできない」としている。
府警は一七年十月に院長を書類送検。捜査関係者などによると、一七年一月十日、次女を出産予定の長村さんの脊髄近くに局所麻酔をした際、管を奥まで刺して麻酔が効き過ぎ、呼吸不全で意識不明となったのに人工呼吸などをせず、同二十日に低酸素脳症で死亡させた疑いがあるとしていた。次女は帝王切開で無事に生まれた。
地検は今年四月「起訴するに足る事実が認定できなかった」として不起訴にした。遺族はこれを不服として検審に審査を申し立てていた。
遺族は長村さんが死亡したのは麻酔の部位や効き具合の確認を怠ったのが原因として、今年六月、院長と運営元の医療法人に損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201910/CK2019102802000246.html
2019年4月9日 午後6時23分【福井新聞】
無痛分娩死、院長を不起訴 遺族が検審申し立てへ、大阪
大阪府和泉市の産婦人科医院「老木レディスクリニック」で2017年、麻酔で痛みを和らげる「無痛分娩」で出産した長村千恵さん=当時(31)=が死亡した事故で、業務上過失致死容疑で書類送検された男性院長(61)について大阪地検は9日、嫌疑不十分で不起訴処分にした。「起訴するに足る事実が認定できなかった」としている。
無痛分娩を巡り医師が捜査されたケースは異例で、遺族は起訴を求めて検察審査会に審査を申し立てる方針。
長村さんの父安東雄志さん(69)は大阪市内で記者会見を開き「これ以上、命が奪われることがないよう訴えていきたい」と話した。
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/832431
2017年10月6日 5時10分【朝日新聞】
無痛分娩の死亡事故、院長を書類送検へ 大阪府警
大阪府和泉市の産婦人科医院「老木(おいき)レディスクリニック」で1月、麻酔でお産の痛みを和らげる「無痛分娩(ぶんべん)」で出産中の女性(当時31)が意識不明になり、その後死亡した事故で、府警は6日、男性院長(59)を業務上過失致死容疑で書類送検する。無痛分娩をめぐる事故が各地で相次ぐ中、医師が立件されるのは異例だ。府警は容体急変後に適切な処置を怠ったことが過失にあたると判断した。
府警によると、院長は1月10日、同クリニックで同府枚方市の長村千恵さんが無痛分娩で次女を出産中に呼吸困難に陥った際、呼吸回復のための必要な処置を怠り、同20日に搬送先の病院で死亡させた疑いがもたれている。次女は帝王切開で生まれ、無事だった。院長が無痛分娩処置を行い、小児科医と助産師、看護師が補助していたという。
長村さんは脊髄(せきずい)を保護する硬膜の外側に細い管を入れ、麻酔薬を注入する硬膜外麻酔を受けた後、「息が苦しい」と訴えていた。院長が看護師らと人工呼吸や心臓マッサージをしたが心肺停止状態になり、堺市西区の病院に搬送され意識が戻らないまま死亡した。
一般的に医療事故で刑事責任を問う際には慎重な判断が求められ、今回のように無痛分娩をめぐる事故では前例がほとんどない。
府警の司法解剖の結果や複数の専門医の鑑定書から、長村さんは麻酔が効きすぎたことで呼吸困難に陥った可能性が高いことがわかったという。院長は、人工呼吸器を装着して強制的に肺に酸素を送り込む「強制換気」をしていなかったとされ、府警はこの点を過失に問えると判断した。強制換気は専門分野を問わず、患者が自発呼吸をできなくなった際に医師が施す一般的な処置だという。院長は事情聴取に「パニックになり、強制換気ができなかった。容体の変化の速さに対応が追いつかなかった」と話しているという。
今後は大阪地検が起訴の可否などを判断することになる。クリニックの代理人弁護士は「詳細は答えられないが、院長は『できる限りのことはやった』と説明している」と話した。(大部俊哉、長谷川健)
■父親「あまりに無念」
「娘は次女を抱くこともできないまま亡くなった。こんな悲しい事故は二度と起きてほしくない」。同クリニックで無痛分娩で意識を失い、その後死亡した長村千恵さん(当時31)=同府枚方市=の父親、安東雄志さん(68)が朝日新聞の取材にそう語った。
千恵さんは安東さんの三女。水泳が得意だった兄に憧れ、幼いころから水泳教室に通った。「負けん気が強く明るい性格。常に家族の中心にいる頼もしい娘だった」。大学時代は柔道部のマネジャーを務め、卒業後はスポーツインストラクターになった。2011年に結婚し、14年に長女を出産。次女の誕生を心待ちにしていた。
長女の出産後に腰を痛めたため、次女の出産では無痛分娩を望んだ。千恵さんはインターネットなどで医院の評判を調べ、実家から近い同クリニックを選んだ。ホームページの「複数名麻酔科医が在籍し、産科医、スタッフなどが体制を整えている」といった説明に納得した様子だった。
出産日の今年1月10日夕。容体が急変して搬送された総合病院に安東さんが駆けつけると、千恵さんは話すこともできず、ぐったりしていた。救急車で同行した院長に「何が起きたのか」と聞くと、「(麻酔薬などでアレルギー反応が起きる)アナフィラキシーショックではないか」と答えたという。
千恵さんは10日後、息を引き取った。
安東さんが「なぜ速やかに呼吸の回復処置をしなかったのか」と聞くと、院長は「気管内挿管などをして体を傷つけたくなかった。やるべきことはすべてやった」と答えたという。安東さんは「基本の処置が行われなかった」と訴える。
今回、実際には麻酔科医は立ち会っていなかった。「無痛分娩は年々普及しているが、麻酔の専門医が常駐せず態勢が整っていない医院はほかにもあるようだ。きちんとした環境を整えることが優先されるべきではないか」と話す。
いま、長女は2歳。寂しくて、「お母さん、お母さん」と泣き出すときがある。安東さんは「あまりに無念」と声を落とした。(長谷川健)
■日本産婦人科医会「刑事事件化には反対」
院長の書類送検について日本産婦人科医会の石渡勇常務理事は「お産に伴い母子が亡くなった場合などで民事上の責任を負うことは当然あるが、刑事事件化には反対だ」と語る。
今回は母親が亡くなったが、石渡さんは「赤ちゃんの方を助けようとした可能性もある。そこは医師の裁量の範囲で判断が間違っていると言い切れないのではないか」と述べたうえで、「リスクを恐れて無痛分娩(ぶんべん)の実施施設が減れば、ハイリスクの妊婦を受け入れるべき医療機関に(無痛分娩を望む)妊婦が集まり、周産期医療体制が壊れてしまう」と懸念する。
産科医療を巡っては、2004年に福島県立大野病院で出産時に女性が死亡し、福島県警が業務上過失致死と医師法違反容疑で担当医を逮捕。無罪判決が確定したが、手術法をめぐる医師の判断が適切だったかが問われ、議論が起きた。産科医不足に拍車をかけたとも指摘される。この事故などを踏まえ、再発防止に役立てるために病院などが自ら原因を調べ、遺族や第三者機関に報告する「医療事故調査制度」も始まっている。(佐藤建仁)
https://www.asahi.com/articles/ASKB44TCSKB4PTIL00S.html
2017年8月30日 11時43分【朝日新聞】
無痛分娩の女性死亡事故、男児も死亡 神戸の産婦人科
神戸市の産婦人科医院で2015年、麻酔でお産の痛みを和らげる無痛分娩(ぶんべん)をした女性と生まれた男児が重い障害を負い、女性が今年5月に死亡した事故で、男児も今月15日に死亡した。1歳11カ月だった。
麻酔後に急変「息ができない」 無痛分娩後に死亡の女性
遺族によると、女性は神戸市西区の「おかざきマタニティクリニック」で無痛分娩のための麻酔を受けた直後に体調が急変。意識不明のまま今年5月に35歳で亡くなった。搬送先の病院で帝王切開で生まれた男児も、重い脳性まひとなり、意識不明の状態で入院していた。男児の症状は重く、肺炎にかかるなどしていたという。
女性の夫は今夏、厚生労働相や関連する学会あてに、安全対策を設けることや、体制が整っていない施設での無痛分娩の実施制限の検討などを求める文書を出している。
同医院の院長は「改善を積み重ね、外部の専門医に、十分な再発防止策は講じられていると判断された」などとするコメントを、8日に出している。(石塚翔子)
https://www.asahi.com/articles/ASK8Z3JD7K8ZPLBJ002.html
2017.5.27 07:47 【産経新聞】
医療ミスで出産女性が死亡 神戸の産婦人科病院長を刑事告訴 業務上過失致死罪で
神戸市内の病院で平成27年8月に出産した後、意識不明となり、約1年後に死亡した女性=当時(36)=の遺族の代理人弁護士が26日、同市中央区で記者会見し、出産を担当した男性院長を業務上過失致死罪で葺合署に刑事告訴したことを明らかにした。遺族は「未熟な医師による被害をこれ以上出したくない」と告訴に踏み切ったという。
告訴状によると、女性は27年8月19日、「母と子の上田病院」(中央区)で、麻酔により痛みを緩和する無痛分娩(ぶんべん)で女児を出産。子宮内の大量出血のため重度の低酸素脳症を起こし、意識不明のまま昨年7月28日に急性循環不全で死亡した。院長は陣痛促進剤「オキシトシン」を過剰投与したほか、迅速な救急搬送を怠ったとしている。
その後、病院側はオキシトシンの投与量や止血の処置などが不適切だったとして院長の過失を認め、示談金を支払った。院長は「医師として未熟だった」と釈明したが、遺族側は一度も謝罪に訪れなかったことなどから、今月19日に葺合署に告訴状を提出、受理されたという。
病院側は産経新聞の取材に「患者の個人情報に関わる個別の案件には答えられない」としている。
https://www.sankei.com/west/news/170527/wst1705270016-n1.html
2011年1月15日【中日新聞】
妊婦に遠い“無痛”分娩 国内実施2.6%
背景に医師不足や痛み美化
お産の痛みを麻酔で和らげる“無痛分娩(ぶんべん)”と呼ばれる出産法の普及が進まない。出産の6割とされる米国をはじめ欧米では一般的だが、日本は2.6%と極端に少ないことが厚生労働省の初の調査で判明。背景には、医師不足や「痛みに耐えてこそ」という根強い意識もありそうだ。
「痛みが軽く、余裕を持って産めました」
昨年11月2日、埼玉県川越市の埼玉医大総合医療センター。茂呂仁子さん(34)は出産直後とは思えない元気な様子だ。前回は陣痛中に意識を失ってしまい、出産の瞬間を覚えていない。激痛への恐怖もあって無痛分娩を選んだという。
無痛分娩は、痛みを脳に伝える脊髄(せきずい)のすぐ近くにある「硬膜外腔」に、細いチューブで麻酔薬を注入する硬膜外無痛分娩という方法が一般的。感覚は鈍るが体は動かせるので、赤ちゃんを押し出す「いきみ」はできる。痛みによる血圧上昇も避けられるため高血圧や心臓病がある妊婦に向くという。
田中ウィメンズクリニック(東京)の田中康弘院長は「お産の痛みは体を切られるレベルに近い。懲りて産みたくなくなる人もおり、無痛分娩は少子化対策になるかもしれない」と話す。
だが、厚労省研究班が昨年まとめた初の調査では、全国1176施設が2007年に手掛けた出産計約40万件のうち、無痛分娩は1万件強(2.6%)にとどまった。調査した埼玉医大総合医療センターの照井克生准教授は「無痛分娩の要望は増える傾向にあるが、安全に実施できる麻酔科医や産科医が不足している。産科医が技術を学ぶ機会はほとんどないし、麻酔科医にとっても少ない」と要因を分析する。
実施にはリスクもある。低血圧や頭痛などの副作用が起きることがあるほか、出産時間が長引くケースがある。緊急対応が可能な医療機関で、技術に習熟した医師による管理が欠かせない。費用面でも通常の出産より高くなる。
一方「おなかを痛めた方が愛情がわく」という考え方も強く、「とがめられそうで」夫の親に言い出せなかった女性もいる。
生活コラムニスト、ももせいづみさんは「妊婦が1つの選択肢として、メリット、デメリットを考えた上で選べるようになればいい」と話している。