2816.今日の植物(2299):チャボトウジュロ
チャボトウジュロはヤシ科 Chamaerops 属(チャボトウジュロ属)の植物で、この属に分類される種は、The Plant Listでは切手に描かれているChamaerops humilis種とその変種1種だけとされています。ウイキペディアでは変種が3種だとされていますが、いずれにしても小さな植物群だということになります。
ウイキペディアによりますと、そのChamaerops humilis種は、European fan palm(ヨーロッパの扇ヤシ)とかMediterranean dwarf palm(地中海の小型ヤシ)とも呼ばれ最も耐寒性の強いヤシの一つです。
またChamaerops humilis種は珍しくヨーロッパ原産のヤシで、他にはPhoenix theophrasti(ヤシ科ナツメヤシ属)という種があるだけだそうです。ヨーロッパ南西部のスペイン、ポルトガルからフランス、イタリアなどの海岸に分布し、さらにはモロッコ、アルジェリア、チュニジアといったアフリカ北西部にも分布しているようです。
摂氏マイナス12度までの耐乾性があり、そのようなことから世界中で鑑賞用、景観用に栽培されています。
また、火災に遭った場合にも、地下茎や幹から再度発芽し再生能力が高いことも知られており、その葉は籠などを作る材料としても利用されるなど有用な植物のようです。果実は苦いものだそうで、伝統的な医薬にも使われるという情報もありました。
チャボトウジュロは、漢字で書くと「矮鶏唐棕櫚」となります。同じヤシ科にトウジュロという植物があるのですが、なぜチャボなのかはわかりませんでした。
写真です。これもネットから借用しています。
チャボトウジュロ Chamaerops humilis
●写真中は雌花、右は雄花です。
切手です。
チャボトウジュロ Chamaerops humilis
1997年 英領アセンション島発行(Hong Kong STAMPEX 1997)
●一緒に発行された切手はこちらです。⇒切手植物図鑑
2815.今日の植物(2298):ウイルキエア
ウイルキエアは、モニミア科 Wilkiea 属(ウイルキエア属)の植物で、The Plant Listによれば8つの種があるという小さな植物群です。(このThe Plant Listは時々使えなくなることがあって困るのですが、現在は機能しております)
ウイキペディアの情報によりますと、Wilkiea 属の植物は、雌雄異株の木もしくは草本で、オーストラリアやニューギニアで見られるということです。
ウイキペディアには、Wilkiea huegelianaという種に関する情報がありました。
それによりますと、この種のもともとの分布域はニューサウスウェールズ州の南東部のDromedary山からクイーンズランド州の南東部Maryboroughと至る地域(オーストラリアの東部に当たります)で、熱帯雨林の下層部を構成しているということです。火山性の地質を好むのだと記されていました。
雌雄どちらにも黄緑色の花をつけ、アザミウマという昆虫によって花粉を運ばれるのだそうです。このアザミウマという昆虫、全く馴染みがないのですが、これもウイキペディアで調べてみますと、体長1ミリ以下といいますから小さな昆虫で、植物の汁を吸い害虫とみなされているようです。そんな昆虫が花粉を媒介もするというのも面白いです。
写真です。ネットから借用しています。
ウイルキエア・フエゲリアナ Wilkiea huegeliana
切手です。
ウイルキエア属の一種 Wilkiea sp.
1983年 オーストラリア発行(普通切手)
●一緒に発行されたセットはこちらです。⇒切手植物図鑑
●セットは蝶や蛾を描いた切手なのですが、そのバックに植物が描かれています。切手には、その植物の名前は記されていないのですが、ATA(American Topical Association)という団体が、そこに描かれた植物の名前を記したデータ集を発行してくれています。この切手については属名だけですが、描かれた植物について情報を得ることができるのは誠にありがたいことです。
2814.今日の植物(2297):ペウムス
ペウムスは、モニミア科 Peumus属(ペウムス属)の植物で、この属に分類される種は切手に描かれているPeumus boldus種の1種だけという、1属1種の植物です。
そのPeumus boldusは、チリの中央部南緯33から40度の地域に固有の植物だということです。ヨーロッパや北アフリカに持ち込まれたこともあるようですが、植物園で栽培されている以外にはあまり見かけることがないのだそうです。
この種は、ラテンアメリカではboldoと呼ばれているということです。しかしその名前で呼ばれることにより、Plectranthus ornatus(英語名はfake boldo:偽のボルド)という別の植物と混同されるようになったのだそうです。そのために、両方の種の利用方法や特性、さらには毒性について混同が生じたということです。
本日のPeumus boldus種は、南米では広くYerba mateと呼ばれる植物(お茶として飲まれているようです)と混ぜることによりその香りを和らげるのに使われるということです。また民間の薬用植物として利用されたり、使用法によると毒性を有するということもあるようです。
そのようなところで、「偽のボルド」と混同されることがあるということのようです。
写真です。ネットから借用しています。
ボルド Peumus boldus
切手です。原産地のチリから発行されていました。
ボルド Peumus boldus
1940年 チリ発行(普通切手)
●この切手と一緒に発行された切手はこちらです。⇒切手植物図鑑
2813.今日の植物(2296):ルイヨウショウマ
ルイヨウショウマは、キンポウゲ科 Actaea属(ルイヨウショウマ属)の植物で、The World FLora on Line(これまでのThe Plant Listがまた使えなくなってもう一度こちらにお世話になっております)によりますと、この属には43の種が分類されているということです。
ウイキペディアの情報によりますと、Actaea属の植物は、ヨーロッパ、アジア、北米の亜熱帯、温帯地域に自生しているということで、日本には2種が確認されているということです。
英語名はbaneberry(毒の実)、有毒なのです。特に白あるいは赤い果実部分は心臓の筋肉に影響を及ぼし有毒で、子供が誤って口にすると命に係わることもあるのだそうです。植物としては同じキンポウゲ科のトリカブトに近いということですから、合点が行きます。ただ、種を運んでくれる鳥には毒性がないといいますから、不思議なものです。
属名を漢字で書くと類葉升麻、類葉は「葉が似ている」という意味だそうですから、サラシナショウマなどに似た葉を持っていることからこの名前になったものだと思われます。
ついでに、属名のActaeaは葉の形がニワトコに似ているところからそのギリシャ名から来ているのだそうです。
写真です。ネットから借用しております。
アカミノルイヨウショウマ Actaea rubra
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切手です。
アカミノルイヨウショウマ Actaea rubra
2017年 スリナム発行(花)
2812.今日の植物(2295):バンクーベリア
バンクーベリアは、メギ科 Vancouveria属(バンクーベリア属)の植物で、3種が確認されているという小さな属のようです。
ウイキペディアの情報によりますと、Vancouveria属の植物は米国の西海岸に固有の植物だということです。英語名をinside-out flowers(裏返しの花)といいます。花弁のように見える萼が裏返しになる途中のように見えるところからこの名前になったそうです。
属名のVancouveriaは、18世紀の英国の海軍士官で、太平洋岸を調査・探検したGeorge Vancouver氏に因んで命名されました。カナダのバンクーバーも彼に因んで命名された都市です。
切手に描かれているVancouveria hexandra種は、アメリカ西海岸のブリティッシュコロンビア、ワシントン州西部、オレゴン州、カリフォルニア州北西部の森林の下草として分布しているということです。
写真です。
バンクーベリア・ヘキサンドラ Vancouveria hexandra
切手です。
バンクーベリア・ヘキサンドラ Vancouveria hexandra
2017年 スリナム発行(花)
●一緒に発行された切手はこちらです。⇒切手植物図鑑
スリナムからは、魅力的な植物を描いた切手12種類セットが発行されています。
(お知らせです)
同じメギ科のイカリソウを描いた切手を入手しましたので、掲載しました。記事を掲載してから10年以上経過しました。
⇒イカリソウ